どうも、肩パワーパッドことKPPです。
高専生の皆さん!
高専からの大学3年時編入 or 専攻科進学について、どちらが良いのか疑問に思ったことはないでしょうか。
本記事では、そんなお悩みに対して、実体験をもとに解説したいと思います。
この記事を読むことで、
大学編入 or 専攻科進学どちらにすべきかという悩みを解決できます。
では早速、行ってみましょう!
まずは私、KPPの簡単なプロフィールです。
将来日本を支える高専生の皆さんに私のキャリアにおける失敗談、経験談を知ってもらい、皆さんの人生設計に役立ててもらうことを目指してブログを発信しています!
まず、高専本科からの編入 or 専攻科論争に対する私の考えをお伝えします。
将来的に大学院の進学を考えている場合、
専攻科への内部進学一択です。
はっきり言うと、専攻科→大学院進学のルートが有利すぎて、他のルートがもったいなく感じて仕方ありません。
まさに、このルートこそ高専システムの真骨頂ともいえますので、最後まで記事を読み、よく理解したうえで進路選択の参考としてください。
高専→専攻科→大学院のルートをオススメする理由
なぜ専攻科へ進学してから大学院に進学するルートをオススメするのかと言うと、専攻科進学には以下3つの強力なメリットがあるからです。
- 大学院進学後の就職活動で研究アピールしやすい
- 受験勉強に掛ける時間が圧倒的に少ない
- 学費が格安
それでは、詳しく解説します。
大学院進学後の就職活動で研究アピールしやすい
皆さんご存じの通り、高専では本科5年生から卒業研究が始まります。
高専生からすると、当たり前の事実で何も感じないかもしれませんが、これは高専以外の大学生目線で見ると明らかに異常なことです。
なぜなら、つい最近まで高校生だった大学2年生が研究するのですから、普通に考えるとありえないです。
ほとんどの大学では4年生から研究が始まるため、皆さんは以下の高専独特のシステムの中で知らず知らずの内に、普通に高校から大学に行く同い年の人に比べて、2年分人生が濃縮されています。
ただし、本科5年で大学に編入した場合、この高専独特のシステムから外れ、普通の大学3年生(本科4年相当)に逆戻りすることになります。
そのため、編入後の2年間は、高専で受けたことがある授業とよく似た内容の授業を取らなければならなかったりするため、4年生になって研究が始まるまでは人によっては密度が低い2年間となります。(もちろん、自立して学んでいける人間であれば、その通りではないです!)
一方、専攻科では本科5年生から始めた研究を更に2年間深堀りします。
また、授業も本科に比べてより一層専門的な内容を学習したり、研究面でも定期的に学会発表を目標に進めていれば、実りのある2年間となります。
KPPの場合は、本科と専攻科で3年間がっつり研究に取り組んだことで、卒業までに学会発表4回、高専独自の発表会的なのを2回、国際学会での発表を2回経験し、ある程度実績を積むことができました。
この2年間の過ごし方の差は非常に大きく、大学院進学直後に始まる就活前哨戦のインターンシップ選考でも非常に有利に働きます。
例えば、高専からの編入組や学部からの内部進学組は、ほとんどが院試が終わってから本格的に研究を始めるため、実質1年弱の研究経験しかありません。
一方、専攻科→大学院に進学した場合は、その時点ですでに3年以上の研究経験と実績があり、それをもとに企業にアピールできるため、インターンシップを始めとする就職活動に非常に有利に働きます。
これは、編入組と専攻科組でどちらが”頭が良いか”という次元の比較ではなく、仕組み上、専攻科→大学院が有利すぎるのです。
また、就活に関して言うと、専攻科生は研究に時間的余裕がある強みを活かして、高専本科~専攻科の間に数週間の短期だけでも留学経験を積んでおくと、就活時のアピールに非常に役立ちます。
なぜなら、留学経験を通じて英語力に自信を持てることはもちろん、海外で生活できる適応力や留学前準備の調整力や行動力がアピールできるからです。
また、英語留学というと数百万単位で敷居が高いイメージがありますが、フィリピンであれば10~30万円程度で本格的な英語発音の環境で学べます。(フィリピンは元々、アメリカの植民地だったので発音が非常にきれいでオススメです!)
たった数十万円の自己投資で、就活時含めて一生使えるスキルと経験が得られるため、是非経験してほしいです。
参考程度に、私は専攻科1年の春休みにフィリピンで3週間ほど留学し、その間に英会話とTOEICを根詰めて勉強し、420点から680点まで一気に上がりました。(個人差はあるので、参考です)
また、海外に渡航することに、金銭的・時間的にハードルがある人は、今の時代であれば、オンライン英会話が非常にリーズナブルでオススメです。
ちなみに、以下eigoxさんのフィリピン人講師であれば、187円/25分〜でプライベートレッスンが受けられます。(本当にすごい時代です・・・!)
受験勉強に掛ける時間が圧倒的に少ない
よく編入試験は通常の大学入試に比べて簡単で有名大学にも入りやすいなどと言われますが、実際は枠が多くないため、しっかり対策出来ていない場合、普通に落ちます。
もちろん、複数の大学を併願できたり、長岡や豊橋技科大のように、枠が多い大学もあるため、大体はどこかに受かるのですが、それでも大体1年半ほど受験対策が必要となります。
また、編入試験の受験勉強をする18~20歳という年齢は、中学の同級生などの部活や受験が終わったり、就職して稼ぎ出して、遊びが盛んな時期です。
そんな時期に一人だけ机に向かって勉強をしなければならない虚しさが伴うため、編入する場合は、覚悟が必要です。
個人的には、この時期ほど夜な夜なみんなで遊び歩ける時期はないため、この時期は遊びに徹底して、様々な経験を積んでほしいと考えます。
一方、推薦で専攻科へ進学する場合は、(それまでの成績にもよりますが)口頭試問程度で進学できます。
また、別記事で今後詳しく書きますが、専攻科から大学院への進学は、編入試験に比べてはるかにハードルが下がります。旧帝大でも研究室に空きがあれば推薦ですんなり入れたりします。
また、仮に一般入試で大学院を受験する場合でも、基本的に受験勉強期間は研究室訪問~夏頃までの約半年間ほどで、こちらも併願できるため編入試験に比べると容易と言えます。
まとめると、受験勉強に掛ける時間の面からも、編入に比べて専攻科進学によるメリットが大きいため、高専生の皆さんには専攻科を目指すことをオススメします。
もちろん、編入に向けて受験勉強することで、学力も人間性も磨かれるため、やるに越したことはないです。ただ、ここでは最終的に同じ大学院に入ると仮定する場合、どちらの人生の選択がトータルとして皆さんが充実するかを考えてもらうための観点を提供しています。
受験勉強で得た知識は数年したら忘れてしまいますが、若い時期の友人との夜遊びや貧乏旅などの貴重な経験はその時期しかできず、かつ一生ものです。
学費が格安
専攻科進学のメリット3つ目は、学費の安さです。
上のグラフにある通り、2年間の授業料と学費は一般的な私立大学の半分程度である国立大学に対して、更に2/3相当の安さとなり、約150万円となります。
同じ大卒(学士)を取ることに対する費用対効果で考えると、最高の選択肢といえます。
非常に親孝行ではありますが、この浮いた費用は、上述した留学経験や学外での学びに当てましょう。学校で学ぶことだけで満足してしまうと、そこでエンジニアとしての成長は止まります。
エンジニアたるもの、自分の専門領域外の知識も幅広く取り入れ、それを自分の専門領域に活かしましょう。
専攻科進学のデメリット
専攻科に行くデメリットはないんですか?
専攻科は良い選択肢だが、デメリットも存在します。
しっかり把握したうえで、適切な進路選択をしてください。
2年間環境が変わらない
編入の場合は、心機一転新しい環境で新生活を始めることができますが、専攻科の場合、あまり進学した実感が持てないのが特徴です。
特に、人間関係が卒業時からほぼ変わらない点は、デメリットといえます。
反対に、専攻科に残ったメンバーと過ごす時間が増えるため、より親密になりやすい点はメリットと言えるでしょう。
ただ、本科の時の友人もほとんどが卒業して専攻科まで残るのは僅かですので、学校に行っても少し物足りなさを感じることもあります。
そのため、専攻科進学と同時に新しい趣味を始めてみたり、学外の関わりを持つなどで対策することをオススメします。
大学に比べて認知度が低い
一般の人で、専攻科の存在を知っている人はかなり少なく、毎回説明が必要なため、非常に面倒だと感じていました。
専攻科自体は、かなり高度なことをしているのに、認知度が低い点が非常にもったいないと感じます。皆さんが専攻科に入り研究成果を残すことで、もう少し社会に訴求し、認知度やブランド力を向上してほしいと切に願います。
おわりに
ここまでに、大学への編入と専攻科進学について、比較してきましたが、やはり大学に比べて知名度やブランド力には欠けるものの、将来的に大学院進学を考えている場合、専攻科進学に軍配が上がると考えます。
もちろん、大学に編入したことで人生好転した人がいたり、個人レベルで多少の差はありますが、俯瞰してみると、専攻科進学の方が、高専特有のシステムのメリット最大限発揮できるため、どちらか迷っている人については、専攻科進学をオススメします。
以上、本記事を見て進路が定まった方など、是非コメントいただけますと、更新の励みになります!