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こんにちは。ケッツです。
突然ですが、高専出身で大企業の社長として活躍する方が顧みた高専生活に興味はありませんか?
先日このような記事を拝見しました。(以降参考記事と呼びます)
https://kosen-guide.jp/interview_graduate/entry-122958.html
(引用元:高専就職・転職ガイド様、https://kosen-guide.jp/)
参考記事は、株式会社セブン銀行の代表取締役である松橋正明様へのインタビュー記事です。
上記のリンクから参考記事を読んでいただければ良いかとは思いますが、本記事ではいくつかピックアップして、僕の感想も交えながらお伝えします。
本記事を通して、現高専生のみなさんが高専生活を過ごす上で、何か活かせるところがあれば嬉しいです。
また高専を目指す中学生やその親御様につきましては、高専がどの様な学びを得られる学校なのかというイメージがより具体的なものになれば幸いです。
記事の要約
ご紹介する人物
ご紹介する人物は、株式会社セブン銀行 代表取締役松橋正明様です。
株式会社セブン銀行は全国に約2万6千台のATM(現金自動預払機)を持ち、その数はゆうちょ銀行ATMに次ぐ数字です。松橋社長様はそのATMの開発を率い、「ATMのすべてを作ってきたパイオニア」と称されています。
なぜ高専への進学を決めたのか
参考記事では、松橋様の高専への志望理由は下記のように示されています。
子どもの頃から自然科学系には広く興味がありました。『シートン動物記』や『ファーブル昆虫記』に始まり、中学生の頃にはSF作品も好んで読んでいました。
高専就職・転職ガイド様、https://kosen-guide.jp/, https://kosen-guide.jp/interview_graduate/entry-122958.html
中学生の時はノートの端っこに、いつも宇宙船のデザインを描いていました。
その頃から「実際に機械づくりをしてみたい」と工学系、エンジニアへの憧れが強かったですね。そこで自宅から通学ができ、機械工学科のある釧路高専を志望しました。
松橋様は子どもの頃から、ものづくりに興味があり、エンジニアに憧れていたようです。
高専の機械工学科では、低学年では、簡単な機械製図や、工場実習にて金属を溶接したり、旋盤を使用して部品を製作したりするところから学び初め、高学年となると複雑な機械製図やそれに伴う部品の強度計算などまで学べます。ハードウェア側のものづくりを深く学べますので、その面に魅力を感じたのではないでしょうか。
高専で学んだこと
振り返ってみると「物事にはすべて原理があり、それをうまく活用すると新しい課題解決につながる」ということを体得できたことが大きかったですね。
高専就職・転職ガイド様、https://kosen-guide.jp/, https://kosen-guide.jp/interview_graduate/entry-122958.html
何か特定の知識や経験というよりも、さまざまな工学的な知識を浴びる中で、原理を理解し、応用するプロセスが自然と身についていったように思います。
社会課題を解決するための「発想」と、それを実現するために、今までやったことのない分野でも「手繰り寄せる力」は、高専で鍛えられました。
学生の頃にインプットできる知識量には限りがありますが、そこで学び方のスタイル、土台を築くことができれば、その後、未知の知識や技術に出合っても、どうすれば自分のモノにできるのか、勘が働くようになるのです。
高専では、全学科本科5年生で卒業研究があります。「物事の原理原則を理解し、活用することが新しい課題解決につながること」は、研究通して身につけたのだと思われます。20歳までにこのレベルまで教育される点が高専の最大のメリットの一つとも言えます。
また、松橋様は学生の頃にインプットできる知識量には限りがあるが、学びのスタイルを築くことが大切かのようにおっしゃっています。これに関して、僕も激しく同意します。学生の頃に学んだことを就職してからも用いることもあるかとは思いますが、全く関係のないことに取り組む場合も多いです。その時にいかに課題を解決できるかが社会で評価されるキーポイントとなります。高専で学びのスタイルを築くことができれば、未知の分野であれども、課題を解決していける様になります。
高専出身で良かったこと
自分自身で、高専卒であることを意識しながら仕事をしていたわけではありませんが、学生のうちから、トライアルアンドエラーのエラーをたくさん経験していたことは良かったと思います。
入社2年目で私の発案で進めていた共同研究が頓挫することも経験しました。
通常、機械のなかの軸をなめらかに回転させるにはベアリングという軸受けの部品を使いますが、当時、まだ新しかった含油プラスチックに注目して、低摩擦であればベアリングを用いずに回転できると考えたのです。
素材メーカーとの共同研究に相当注力しましたが、ある理由から結局ものにすることができず、投資した開発資金も水の泡です。大失敗ですね。ただ「プラモデルを壊すような感覚」と言ったら怒られるかもしれませんが、自分の中で気持ちを切り替えるのは早かったです。
高専就職・転職ガイド様、https://kosen-guide.jp/, https://kosen-guide.jp/interview_graduate/entry-122958.html
高専でも、うまくいかないことは日常茶飯事で、何千ステップも構築したCADがあるルートを通った瞬間にバグで飛んでしまう……とか、この時も自分でイチから始めたことなので、直すのも決して楽なことではないです。
でも「失敗したら次に生かせばいい」とポジティブに突き進む原動力に変えていくしかないですから。
松橋様は、「学生のうちからトライアルアンドエラーのエラーをたくさん経験したことが良かった、失敗したら次に生かせばいい。」とおっしゃっています。これも主には卒業研究での経験を話されていることだと思います。これも研究を経験できる高専のメリットです。しかも、20歳までにこの様な経験ができるのは高専ならではです。
現高専生へのエール
高専にはもともと、多様な人材を許容するカルチャーがあると思います。
高専就職・転職ガイド様、https://kosen-guide.jp/, https://kosen-guide.jp/interview_graduate/entry-122958.html
個性や志を持った人が集まる学校なので、さらにその特性に磨きをかけて「尖った人材」を輩出してほしいです。
ロボコンをはじめ各種コンテストは私が在学していた頃にはありませんが、見ているとこちらまで心が躍ります。
高専間の交流の機会もぜひ積極的に活用して、刺激をし合い、引き出しを増やしていって貰いたいですね。
若い人たちに向けて、いつも伝えているのは、どんなことでもいいので「何か一つやり切って」ということです。
会社の業務に直結することじゃなくていいんです。アルバイトでも、趣味でも、部活でもいい。中途半端にせずに、やり切ることができた人間は強い。私はそう思います。
結果は後からついてきます。最後にその価値を認めるのは、お客様であり、社会です。ものづくりで社会を良くしていこうという気概を持って挑戦を続けていきましょう。
松橋様は「何か一つをやり切ることが大切。アルバイトでも、趣味でも、部活でもいい。中途半端にせずに、やり切ることができた人間は強い。」とおっしゃっています。まさにその通りだと思います。
勉強に対してはもちろんですが、僕自身、甲子園を目指し、高専3年生までは本気で野球に取り組みました。私学にも劣らない練習をしたと自負しています。結果としては目標に至りませんでしたが、その経験は今でも自分の自信となっております。現在はエンジニアではなく、経営者としてですが、コロナ禍の不況でも腐ることなく前向きにメンタルを保つことができたのも部活動の経験がベースになっています。
最後に
いかがでしたでしょうか。
高専は工学の専門学校として知られているかとは思いますが、松橋様のお話を見てみて、課題解決能力を体得する専門学校という側面もある様に思います。自分の経験を通してもそう感じます。
松橋様のようになりたいという方は、下記の記事をご覧ください
メカメカブログでは、高専に関する様々な情報を発信しています。
是非、他の記事もお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。
ではまた。